とっくに引退はしてるし、すごい早い段階から高等部の方のテニス部に入部してることになってるけど、ちょっとくらいーっしょ!
って思って中学の方のコートに遊びに行った。

「むぅ……」
「ジロー先輩、もうちょっとで日吉来ますから。ね?」

なんか、いろんな部活のブチョーの会議みたいのに行っちゃっててまだ来てないって。
うわーすっげーテンション下がるC……。
寝ちゃおっかなあ。
でもおれが寝始めたらカンタンには起きないことを知ってる2年3年は、新しく入ったっぽい1年をほったらかしで、おれをコートに連れ出した。

「ね、ほら、日吉に格好いいところ見せないと!」
「ん〜……」
「日吉が来た時に寝てるより、テニスしてた方がいいでしょう?」

ちょたろに乗せられちゃうおれも重症だなぁ。なんて思いながら、新しい正レギュ候補のやつらと打ち合ってた。

制服のまんまだったからテキトーにネクタイ緩くしたりとかして、でもやっぱ眠くってうとうとする。

日吉まだかな〜ってきょろきょろしてたら気づいたらフェンスのこっちに丸いあたまを見っけた。


「…………………………………ここは室内ではありませんが」


見っけたのとおんなじタイミングで、日吉の声が聞こえた。
もう5人くらい正レギュ候補とやってもゆるゆるしてた目が覚めた。
ぱっちり。
愛だね!

「ひーよしー!会いたかったよ〜!」
「昨日も会ったような気がするのは俺の気のせいですか?」
「あんな一瞬はノーカンっしょ!」
「そうですか。離れてください」
「断固拒否っ」
「どこでそんな言葉覚えて来たんですか」
「こないだひよが言ってた」
「意味は理解してたんですね。なら離れてください」
「やーだー」
「どこの子供ですか」

ラケットぽい捨てして、おもいっきり抱きついたまんまだだっ子してみたけど、日吉は冷たかった。
ちょっとちょっと、ジローさんショックですよー?グレちまうぞばかー。
けど、あぁ照れてるなーってカオ見なくても分かるから許したげよう。

「寝る!」
「は?」
「あんまツレねぇと、寝る!」
「お好きにどうぞ。俺は困りません」

ってことはこのまんま抱きついたまんま寝ていいってことかなぁ。
意外とひよってヌケてるんだよね。
おれとしては超ラッキーだけど日吉からしたらボケツ掘ったっての?

おれの寝る宣言にびっくりして焦り始めたのは、まわりにいたヤツらの方だった。

「日吉!ちょっと困るよ!」
「知るか」
「もう、日吉が来るまで頑張ったんだから、あとはお願いだよ!」
「知るか!」
「部長がワガママ言わない!」
「どこが我が儘だ正当な主張だ!」

なかよくケンカしはじめたふたり。
ちょっとジェラシ〜とか思いながら、意識がオートリに向いてる日吉のおなかに抱きついてた。

オートリと仲良くしてる日吉もカバジと仲良くしてる日吉も、おれはだいすきだ。



お題小説にしようとして半分にぶった切っちゃった代物。
季節はずれとか禁句です。
たたたた多分4月のアタマとかなんじゃないかな・・・!
09.10.24.sat